企画当初は公立中学校を舞台とした比較的軽めの内容を想定していたが、プロデューサーの飯田和孝氏の尽力により、日曜劇場枠での放送が決定。これを受けて詩森さんは近年の日曜劇場作品を研究し、従来のスタイルから外れた新しい日曜劇場を目指すことになった。
詩森さんは『金八先生』を高く評価しつつ、その影響力の弊害にも言及。教育関係者へのインタビューで「金八先生を放送するたびに教室が荒れる」という現実を知り、令和の教師の物語として新しい提案をする必要性を感じたという。
また、『半沢直樹』や『ドラゴン桜』などの先行作品を参考にしながらも、その一歩先を行くことを目指した。特に『ドラゴン桜』に関しては、東大入試のノウハウだけでなく、試験のあり方自体を問い直す視点を持つことの重要性を指摘している。
詩森さんは、社会派作品を得意とする脚本家として知られているが、『御上先生』では政治や行政を巻き込んだ骨太な社会派ドラマに発展していった。この過程で、プロデューサーの飯田氏との信頼関係や、制作陣との一致団結が作品の方向性を決定づけたという。
『御上先生』は、従来の学園ドラマの枠を超え、現代社会が抱える問題を鋭く描き出す作品として注目を集めている。詩森さんの緻密な取材と骨太な脚本、そして制作陣の熱意が結実した本作は、新しい日曜劇場の形を示す挑戦的な作品となっている。
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